伝統菓子・地方菓子
  1.ガレット・デ・ロワとは
 フランスでは年が明けるといっせいにお菓子屋さんやパン屋さんに並ぶ、新年に欠かせないお菓子です。これを買って家族や友人たちが集まり、大勢で切り分けて食べます。1月6日の公現祭(エピファニー)に由来するお菓子ですが、最近は、1月6日に限らず、1月中であれば人が集まれるときに食べています。

 ガレット・デ・ロワのお楽しみは、このお菓子に隠れているフェーヴという、小さい陶器の人形をだれが当てるかということ。当たった人は、その日王冠をかぶり、「王様」または、「王女様」になることができ、皆から祝福されます。そして王様や王女様になった人は、相手の「王女様」または「王様」を選ぶのです。

 ガレット・デ・ロワはパイとクレームダマンドという一見シンプルなお菓子ですが、職人の技術と個性がはっきり出るお菓子で、フランスのM.O.F.(フランス最優秀技術者)検定試験の課題にもなっています。
本場のガレット・デ・ロワの分け方
その場の人数分に切り分け、一切れずつわざと順番を変えてお皿に盛ります。そして、最年少の子供が誰にどの一切れを与えるのかを決めます。テーブルの下に子供がかくれて、指名する光景もよく見られます。かつては、必ずその場の出席者より一つ多めに切り分け、余った一切れを貧しい人に施したり、あるいはその日その場に居られない人のために捧げるという習慣もありました。