ホーム > 活動報告 > 第5回ガレット・デ・ロワコンテスト開催

活動報告- Activity Report -

第5回ガレット・デ・ロワコンテスト開催2007年11月 Vol.3

第5回目となるコンテストの最終審査および懇親会が、去る11月14日、ヒルサイド・バンケット・パッション(代官山)にて行われました。

9月の書類及び写真選考を経て最終審査に残ったのは、一般部門11名、スーチアン部門4名。会場には各人の渾身の作が次々と運び込まれ、島田会長をはじめとする審査員12名が、見た目の美しさから、味わいのバランス、食感に及ぶ厳正な審査を行いました。見事入賞を果たされた方々並びに審査員は別紙の通りです。また今回より、応募時の作文の中から、優れたものに授与される「エッセイ賞」が設けられました。表彰式は2008年1月10日東京都庭園美術館に於いて開催されるエピファニー(駐日フランス大使へのガレット・デ・ロワ献上式と新年の祭典)の中で行われます。

一般部門優勝者には、例年通り、Chambre professionnelle des artisans boulangers-pâtissiers (通称パリパン菓子組合、会長 ジャック・マビーユ)主催の2009年ガレット・デ・ロワコンクールへのエキジビション参加資格が与えられます。

永井理事はコンテスト総評の中で、「年々レベルが高くなる中、選考はむずかしいものだった」とし、審査項目としては総合的な出来栄えのよさに加え、フランスでの最近の傾向である「(きちんと火が通っていながら)浅めの焼き色」を重視したことを挙げ、フランスのコンクールを見据えた選考であったと述べました。また島田会長は、「欧州経験の豊富な理事による審査は、価値ある評価。そのアドバイスを参考に、皆さんにはより技術の向上をめざしてほしい」とコメントしました。さらに西原副会長は、「コンテストも5回目となり、技術と味わい、双方のバランスのとれた作品が増えてきた。基本に立ち戻った丁寧な作りを心がけて頂くと同時に、素材の状態をよく観察し、レシピだけに頼らない自分の感覚を育ててほしい」とのメッセージを送りました。

結果発表に続いて開催された会員約100名を交えての懇親会では、出品者全員のガレットがふるまわれ、出席者はそれぞれの味の違いを楽しみつつ、堪能しました。

〔受賞者〕
  【一般部門】
  優 勝 : 池尾 大地(エスプリ・ド・ビゴ)
  第二位 : 中野 心悟(ガトー・ド・ボワ)
  第三位 : 中川原 雅美(メゾン・ド・プティ・フール)

  【スーチアン部門】
  部門賞 : 全 美乃

  【エッセイ賞】
  穂満昌吾 レ・アントルメ国立

〔審査員〕
  島田 進(パティシエ・シマ)
  西原 金蔵(オ・グルニエ・ドール)
  藤森 二郎(ビゴの店)
  藤生 義治(パティスリー ドゥ・シェフ・フジウ)
  西野 之朗(メゾン・ド・プティフール)
  永井 紀之(ノリエット)
  林 雅彦(ガトー・ド・ボワ)
  寺井 則彦(エーグル・ドゥース)
  西川 功晃(コムシノワ)
  河島 正吾(アベニュー・ド・ラペ)
  フレデリック・マドレーヌ(ル・ポミエ)
  大森 由紀子(フランス菓子研究家)

  受賞のコメント(敬称略)

池尾
インパクトのある見た目、アーモンドの香りを大切にしました。フランス大会では、さらにクープの印象を強く、しっかりとしたガレットを作りたいです。
中野
焼き色、層の美しさ、クープの深さ、どれもねらい通りにはいかない、むずかしいお菓子だと思います。今後も総合的にいいものが作れるよう、視野を広くしてのぞみたいと思っています。
中川原
ガレットは基本の技術の積み重ねだと思います。特に焼き加減のストライクゾーンが狭く、私としては今後も尚、課題のひとつです。自分なりのやり方を確立していきたいと思います。

今回は初めて葉の模様にトライし、また、今までより厚みをおさえて、ガレットの基本にもどってみました。丁寧な作り方とシンプルな味わいを大切にし、また挑戦します。
穂満
とにかくガレットが大好きです。日々の仕事を通して、その伝統や習慣のすばらしさを実感しました。家族の行事として、世界中の人に知ってもらいたいと思います。