及川 太平(アン・プチ・パケ)2010年10月31日
先日、5歳の長男と3歳の長女の運動会に行ってきました。
夏に戻ったかのような晴天に恵まれ、自然とテンションは上がります。開始から3番目、年長組見どころのひとつ、親子騎馬戦。親が子供をおんぶし、帽子を取り合います。前日より、逃げるか攻めるか、入念な戦闘計画を練り、結論はお父さんの意見が通り、逃げての一手に。
やる気満々でスタンバイしていたそのとき、事件は起こりました。息子の前に並んでいたRくんの泥だらけの靴が息子の目にヒット、急に息子が大泣きしだしたのです。どの子もテンションは最高潮、おぶわれた足はバタバタ、落ち着きないのも無理ありません。
痛みとショックで目が開けられず、結局競技は断念。幼稚園最後の運動会、正直「そりゃないだろ」とも思いましたが、Rくんのお母さんの青い顔に、「大丈夫ですよ~」と笑顔をつくります。
そして競技を終えたRくんは、「ごめんね、組体操できる?」と謝ってくれ、それを機に息子も徐々に立ち直り、以後の種目は笑顔でこなしておりました。
親子騎馬戦はできなかったけれど、息子はまたひとつ経験をした、と思います。
許し、許されるということ、「お互いさま」ということ、いろいろなトラブルを経験し、いろいろな対処の仕方を学んで、だんだんと社会人になっていくのだと思います。
組体操で、近所の気の強い女の子に並んで踏まれながら、「東京タワー!」と叫ぶ息子とRくんの姿に、そんなことを思った秋の一日でした。
息子にも厨房のみんなにも、いつも望むことですが、正々堂々と自分の考え方、生き方を貫き、社会のゆがみに屈しない強い男になってほしいと思っています。「東京タワー!」
日本ではそれは難しいことだと思いますが、もっと大きな世界に目を向けろ!と。
ちなみにまだ年少の娘はしっかりさん、競技のデモもこなしており、今後、勉強や仕事も難なくクリアしていくタイプ…(はい、親バカです)。
やっぱり男の成長に気をもむのは、やむを得ません。
(2010.10)