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2010年2月

西原 金蔵(パティスリー オ・グルニエ・ドール)2010年02月28日

30年振りの、この時期のフランスだった。
パティシエという職業についていると1年で1番多忙な時期、12月にフランスへ発つという事は至難の業である。
にもかかわらず、この時期にフランスへ発った目的は、恩師である亡きアラン・シャペルさんのレストラン『Alain CHAPEL』の創立70周年記念の御祝いの会に招待されたからだ(実際は、シャペルさんの御両親の時代から数えて70年)。

今から、約19年前、52歳で急死されたシャペルさん。
その当時、5歳と7歳の幼かった兄弟が今や成人して、兄のダヴィットはレストランのマネージャー、弟のロマンは料理人になり、アラン・デュカスをはじめ、シャペルさんと関わりのあるジャーナリスト、ワインの作り手、世界の名声ある人々への、お披露目も兼ねた会でした。

目を閉じると、約22年前、私がレストラン『Alain CHAPEL』で働いていた時の事を昨日の事のように思い出します。
その当時、小さかったイタズラっ子の2人が土、日の度に「キンゾーいるかぁ~?」と、ちょっとはにかんだ声でパティスリーに来て遊んでいたっけ。
その兄弟がこのように成人し、世界の料理界の人たちへのお披露目が出来、又、その会に家族で出席出来た喜びを深く感じています。

2人が力を合わせたレストラン『Alain CHAPEL』が再び、3ツ星に返り咲く光景がチラリと見えたのは、私だけではなかったでしょう。

とても幸福な時間を過ごせたフランスでした。
又、わずかな時間でしたが、ノエルの飾り華やかなフランスを見る事が出来た事も嬉しい旅でした。(2010.1)