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伝統菓子・地方菓子- Traditional confectionery -

伝統菓子・地方菓子

●タルト・タタン2015年07月30日

タルト・タタン Tarte Tatin
パリから西へ車で1時間半のソーローニュ地方に、ラモット・ブーヴロンという小さな町がある。この駅前のホテル・タタンは1894年創業の歴史を誇るが、ここを1890~1906年まで経営していたのが、キャロリーヌとステファニーのタタン姉妹である。旅人においしい料理を供することでも評判で、常ににぎわっていたというが、ある日その忙しさからデザートが間に合わない事態に。慌てたステファニーは型にリンゴを詰めただけでオーブンに入れてしまい、キャロリーヌが気づいたときにはすでに飴色に焼けたリンゴが出来上がっていた。そこで彼女はとっさにタルト生地を上からかぶせて再びオーブンへ入れ、焼き上がりをやむなくひっくり返して客に出したところ、これが思わぬ大好評。客の一人に食通キュルノンスキーがおり、この即興タルトを広く知らしめた。以来、現在に至るまで、このタルトはホテル・タタンで作られ続けている。

○用語・人名等解説
キュルノンスキー Curnonsky (1872~1956)
料理ジャーナリスト。キュルノンスキーはペンネームで、本名はモーリス・エドモン・サイヤン。多くの著書があるが、フランス各地を周り、地方料理を発掘してまとめた「美食の国フランス」(28巻)に見られる通り、美食とは宮廷料理ではなく、郷土料理の豊かさにこそあるという信念を生涯持ち続けた。彼は各地で見つけた料理やお菓子を数多くパリで紹介したが、タルト・タタンの他、自らの出身地アンジュー地方に伝わる「クレメ・ダンジュー」なども、このひとつといわれる。1927年に投票によって「美食王」に選ばれ、「美食アカデミー」を設立したことでも有名。現在も「Mes amis de Curnonsky(メザミ・ド・キュルノンスキー)」(本部:パリ。日本支部もあり)という会が存在し、その美食哲学を引き継いでいる。

タルト・タタン

タルト・タタン

パティシエ

島田 進(しまだ・すすむ)

三重県生まれ。68年「ルコント」入社、71年渡仏。「ブタール」「ダロワイヨ」「ジャン・ミエ」などで研鑽を積み、帰国後は「マキシム・ド・パリ」、 「ルコント」、「シェ・シーマ」のシェフパティシエを務める。98年「パティシエ・シマ」オープン。2005年にはフランス政府より農事功労賞シュヴァリ エ受勲。上述「メザミ・ド・キュルノンスキー」日本支部会員でもある。

パティシエ

パティシエのお店情報

パティシエ・シマ
東京都千代田区麹町3-12-4 麹町KYビル1F
Tel : 03-3239-1031
10:00~19:00(土~17:00) 日曜・祝日休

パティシエ

レシピ

島田進 (パティシエ・シマ)
タルト・タタンTarte Tatin

●パート・フイユテ
強力粉 250g
薄力粉 250g
バター(練り込み用) 50g
白ワインビネガー 大さじ1
塩 10g
水 250㏄
バター(折り込み用) 325g

●焼きリンゴ
リンゴ 10個
バター 50g
レモン汁 2個分
水 100㏄
塩 少々
グラニュー糖 300~500g
カルヴァドスまたはコニャック 少々

●クレーム・パティシエール
牛乳 500㏄
卵黄 6個分
グラニュー糖100g
薄力粉 40g
コンスターチ 40g

●その他
カラメリゼ用グラニュー糖 適量