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活動報告- Activity Report -

2007伝統菓子講習会開催2007年09月 Vol.2

恒例のフランス伝統菓子講習会が、7月31日(東京)、8月7日(札幌)、8月29日(大阪)に開催されました。本講習会も回を重ねるごとに、他ではあまり見られない地方菓子が紹介され、受講者に新鮮な印象を与えていたようです。また、札幌での開催は初の試みとなりました。

(以下、講師と作成したお菓子)

東京:   西原 金蔵      サヴァラン
      西野 之朗       ガレット・デ・ロワ
                      ショーモンテ
      林 雅彦        ガレット・フラマンド
      白岩 忠志       ガレット・ペルージエンヌ
      河島 正吾       トゥルトー・フロマージェ
      永井 紀之         (講師サポート)
      大森 由紀子        (解説)

各シェフのひとこと:

私がサヴァランに抱くイメージは夏のお菓子。オレンジを効かせてさわやかに、アルコールもやさしくしています。アラン・シャペルでもデザートに出していましたね。(西原)
今年6月にバスクを旅行した際に、サン・ジャン・ピエ・ド・ポールという巡礼の町で、ふと出会ったのがショーモンテ。クラシックな味わいが新鮮で、旅一番の大発見でした。(西野)
ガレット・フラマンドはフランス最北部、フラマン地方のものです。アプリコット風味がオリジナルですが、今日は塩キャラメルとヘーゼルナッツのアレンジ版も。悪くないでしょ?(林)
地方菓子はどれもシンプルさが魅力ですが、特にこのガレット・ペルージエンヌは究極だと思います。カリっとして同時に弾力も感じさせるような生地の食感をめざしました。(白岩)
昔、本で見て、「なんやこれ!?」と強烈な印象が焼きついたのがトゥルトー・フロマージェ。今日は、お菓子というよりアペリティフにも合うようなレシピで紹介します。(河島)

ガレット・デ・ロワは、西野シェフによるデモとなり、コンクールの締切も近づいている中、受講者のより熱いまなざしがそそがれていました。

札幌:   島田 進         ガレット・デ・ロワ
      藤生 義治         ヌガー
    ジャン=ポール・チェボー  マカロン・ドゥ・ナンシー
      西野 之朗       ショーモンテ、ポン・ヌフ
      永井 紀之       スフレ・グラッセ、ガトー
                       ・バスク・オ・
                  マロン
      林 雅彦        クラフティ・リムーザン

各シェフのひとこと:

コンフィズリーに取り組む人が増えてきている中、ヌガーはひとつのジャンルとして広がったらいいなと思っています。勉強の機会が意外に少ないお菓子なので、ぜひ今回。(藤生)
スフレ・グラッセは、フランスならお菓子屋はもちろん、ブラッスリーにもレストランにもあるアイテム。日本でも、もっと広まってほしいのになぁ。ガトー・バスクは伝統的なものに、自分なりの解釈を加えて、おいしく食べる工夫をしてみました。(永井)
クラフティは、最近あまり見かけなくなってしまったような気がしますが、今回改めて作ってみて、凝ったお菓子より、かえって奥が深いと再認識しました。(林)

大阪:   島田 進          バスク・オ・ショコラ
      藤生 義治         ガレット・デ・ロワ
      西野 之朗         ショーモンテ、ポン
                     ・ヌフ、コンヴェルサ
                    シオン
      林 雅彦          パリ・ブレスト
      白岩 忠志       ガレット・ペルージエンヌ
      西川 功晃         ポロネーズ

各シェフのひとこと:

今はプティ・ガトーの需要が高く、通年お店におけるホールのお菓子が少なくなっています。地方菓子であるガトー・バスクは行事菓子に比べて、オリジナリティを工夫しやすい。基本は守りつつバリエーションを広げて、お菓子屋さんの焼き菓子の幅を広げて下さい。(島田)
70年代のフランスで、初めて目にしたガレット・デ・ロワ。以来、当時のままのクラシックなスタイルを生かしながらも、よりおいしくなるよう試行錯誤してきました。その経験が今日のガレットに凝縮されていると思います。(藤生)
シューとプラリネクリーム、両方のおいしさが絶妙なバランスを作るパリ・ブレスト。絶対に伝えていきたいお菓子のひとつです。自分の店でも10月から復活させる予定。(林)
ブーランジェとして、発酵菓子であるポロネーズを紹介しました。ブリオッシュ生地に染みこませるシロップの加減、メレンゲやアルコールの量など、ちょっとしたバランスで、驚くほど印象が変わります。クラシックを伝えていく中で、そのあたりの調整が大切なのだと思います。(西川)

講師自らが伝統菓子のよさを再認識し、その思いを受講者に伝える場、そして伝統菓子にみられる菓子づくりの原点を直に見てもらえる場として、レシピだけにとどまらない、意義ある講習会となりました。

ハッピー・アペリティフ参加
6月7日、六本木ヒルズアリーナにて、フランス食品振興会(SOPEXA)主催「ハッピー・アペリティフ2007」が開催され、当クラブも参加しました。

本イベントはアペリティフ文化の普及・振興のため一昨年発足し、6月の第一木曜を「アペリティフの日」に提唱しているものです。食前酒はもちろん、アペリティフ・タイムをさらに楽しくする、おしゃれなおつまみが、レストランやパティスリーのシェフたちによって提供されました。この会場にスタンドを持つことができるのは、フランス政府より授与される農事功労賞受賞者のみ。島田進会長が受賞者である当クラブは、唯一のスウィーツのスタンドとして様々な伝統菓子を持って参加しました。今回ボランティアで協力したのは島田会長、藤生義治(パティスリー・シェフ・ドゥ・フジウ)、藤森二郎(ビゴ)、永井紀之(ノリエット)、寺井則彦(エーグル・ドゥース)の5名の理事です。美しくプレゼンテーションされた伝統菓子は会場を華やかに彩り、来場者は新たなアペリティフの可能性を発見した様子でした。

株式会社丸菱主催組合展参加
7月10、11日の両日、株式会社丸菱主催の「食品機械と原材料総合展2007」が、グランメッセ熊本において開催されました。ガレット・デ・ロワ及びフランス伝統菓子を普及するという当クラブの趣旨に賛同する同社より招待を受け、当クラブはガレット・デ・ロワの紹介ブースの展示と、伝統菓子のデモンストレーションを行いました。クラブ会員提供のガレット・デ・ロワとフェーヴの展示は非常に多くの関心を集め、またデモンストレーションは会場一の見学者を集めたと高く評価され、今年も成功裏に終了しました。

 伝統菓子デモンストレーション
 西野之朗、林雅彦、寺井則彦、白岩忠志
 ゲスト:三嶋隆夫氏