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活動報告- Activity Report -

パリ ガレット・デ・ロワコンクール参加2013年01月 Vol.1-3

パリのパン菓子組合が主催する第24回「ラ・メイユール・ガレット・オ・ザマンド」が1月3日パリの職業学校EPMTTHで開かれ、日本から、2011年ガレット・デ・ロワコンクールの優勝者、三鶴康友さん(ダロワイヨ ジャポン)が特別参加しました。
応募者はパリ近圏イル・ド・フランス地方のブーランジェやパティシエ総勢323人。経営者、従業員、見習いの3部門に分けて審査が行われ、三鶴さんは経営者部門で15位に入賞しました。三鶴さんがコンクールに提出したガレットはパリ、ダロワイヨの厨房をお借りして焼き上げました。

下記がクラブ理事 永井シェフの同行記になります。

元旦  午前7時  パリ、シャルル、ドゴール空港着
パリに着いて、一番最初に会話をする税関の女性の職員が、これ以上無いと言うぐらい機嫌が悪く挨拶もしない。 相変わらずだと思いつつも暗い気持ちに成ってしまった。きっと彼女は、元旦の仕事や、隣に座っている女性職員の愛想の良さや、少し太り過ぎてしまった自分の姿など、全てに感じている腹立たしさを、そのままフランスに入国する人にぶつけているのでしょう。
初めてフランスを訪れる人が最初に彼女に会うのは、フランスの持つ良いイメージに傷が付くような気がするのは僕だけでしょうか?空港から出てみると、なんと雨、傘を持って来ていない・・・・オペラ行きのバスの切符を買ってバスを待つ。昨日からよほど強く降ったのか水溜りになっていて、タクシーが通るたびに派手に水をはね上げて行く。その度にバスを待っている人たちが、危ない!気を付けろ!と口々に言い合って笑いかけてくる、バスが来て乗る時に、運転手から今日の昼までバスとメトロは全てタダだと言われ、そう云えば昨年もそうだったと思いだし、元旦早々、自分の学習能力の無さを感じつつ、運転手に帰りの6日に、この切符を使えるか聞くと、一生使えるよ!と愛想良く、笑顔で答えてくれた。落ち込んでいた気持ちも少し明るくなった。フランスにも愛想の良い人はいるのだ。

2日の夕方、三鶴君に会うと、粉糖が日本と違うので上手くキャラメリゼ出来ないと言う。どうもコーンスターチが入っているようだ、スーパー等にコーンスターチの入っていない粉糖を探しに行くと数件目でやっとそれらしいのを見つけ買って、一安心?
3日の朝、松浦さんと待ち合わせ、郊外にあるダロワイヨのラボに行き、本番のガレットの出来を確認しに行くと、やっぱり粉糖が違うせいで思った様な仕上がりには成らないと言っていた。昼になり、ダロワイヨの商品開発の責任者で、昨年M,O,Fを取った、ヤンの車で搬入会場まで送って貰い、無事ガレットを提出、後は結果を待つばかり。
午後の2時半過ぎに全てのガレットが揃うと云う事で、昼食後会場に戻り、並んだガレットを見せて貰う。(本当は会場に入れない事になっているけど、わざわざ日本から来ていると云う事で特別に見せて貰いました。)全体的に焼き色も少し濃くなって、クープも綺麗に入って、昨年よりレベルが高いと思った。
翌4日は夜の8時から結果発表。7時半ごろから人が集まりだし、8時過ぎに会長のジャック・マビーユさんの話の後協賛会社の紹介があり、まずは、ァプランティ部門(見習い)の10位から結果発表が始まった。続いて職人部門、最後にオーナー部門、三鶴君は職人だけどオーナー部門に属します。 職人部門の発表が終わった後いきなり日本から参加している三鶴君が紹介されたので一瞬20位以内に入っていないのか心配になった。聞いていると、日本のガレットのクラブやコンクールの紹介だったので一安心。

オーナー部門20位から発表が始まり、15位の時に三鶴君の名前が呼ばれ、モニターに彼の作品が映し出された。順に発表は進み、栄えある優勝は昨年も入賞した女性のオードレ・トラバックさん、昨年の優勝者からトロフィーを手渡され涙の授賞式でした。
結果的にモニターに映し出された60作品の中で三鶴君の作品が唯一のアンシンメトリーな図柄だった。 審査基準に図柄の規定は無いが、実際に店で出来る(売れる)レベルである事、と云う規定がある。 優勝した作品は、シンプルなシンメトリーな図柄だった。フランスの大会では日本の様な繊細すぎる図柄は評価されない可能性があるので、今後対策を考える必要がある様に思う。